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大転換した栄養所要量 生活習慣病対策も考慮

新基準に上限摂取値

 厚生省が「日本人の栄養所要量」を5年ぶりに改定した。過剰摂取によるや糖尿病などの生活習慣病が増えている現状に対処するため、栄養摂取の上限値を初めて設けて、取り過ぎにも注意を促すなど、飽食時代の栄養対策を打ち出した。また、ビタミンやミネラル計13種類についてまったく新たに所要量を示した。世界保健機関(WHO)や欧米などで採用されている国際的な考え方を取り入れたのも特徴だ。国民の栄養不足対策が主目的だった栄養所要量が大きく転換したとも言える。この第6次改定は2000年4月から5年間、給食などの栄養指導に広く使われ、全国約70万人の栄養士の基本指針となる。

新基準に上限摂取値

 今回の改定は、栄養所要量策定検討会の専門家が議論を重ねて決めた。検討会の委員長を務めた細谷憲政東京大学名誉教授は「国際的に共通の基盤で話し合えるように、科学的根拠をはっきりさせようとした。これまでの栄養所要量の枠組みを変えるものだ。この改定で、日本の栄養政策はやっと欧米並みになった」と話す。
 最大の改定は、生活習慣病対策を念頭に、上限値を含む摂取基準の概念を提示したことだ。細谷名誉教授は「保健所や市町村が取り組む生活習慣病の1次予防の柱になる」と強調する。
 改定では、栄養欠乏症を予防するために、半分の人が必要量を満たすと推定される値を「平均必要量」とした。栄養所要量は、97~98%の人が1日の所要量を満たすのに十分な摂取量として、平均必要量に標準偏差値の2倍を加えた数値に設定した。データ不足で平均必要量が分からない場合は、一定の栄養状態を維持するのに十分な量を所要量として用いた。
 逆に、取り過ぎによる健康障害を予防する観点から、ほとんどの人に悪影響を及ぼす危険がない最大の量を「許容上限摂取量」とした。この過剰は毒性よりも、生活習慣病などの危険性を増やさないという予防的な意味合いで考えられた。
 必要量と所要量、上限摂取量を「食事摂取基準」と総称した。栄養所要量と許容上限摂取量の間が摂取安全範囲となる。欧米での栄養基準の考え方を導入したものだ。もっとも、すべての栄養素に関して、上限摂取量が設定されたわけではない。過剰摂取による健康障害のデータがはっきりしていない場合、上限の策定は見送られた。
 許容上限摂取量が決められたのは、ビタミンでA、D、Eなど7種類。ミネラルで、鉄、カルシウム、リン、マグネシウムなど11種類。妊婦がビタミンAを取り過ぎて胎児が奇形になったケースなどもあり、栄養食品や錠剤で単独にビタミンやミネラルを取るときは、こうした過剰摂取に要注意だ。ただ、通常の食事でこれら上限値を超える恐れはまずない。このため、上限摂取量があるからといって、すぐそれほど気にしなくてもよさそうだ 。





もっと運動を

 1日の摂取カロリーは、生活習慣病対策を考慮に入れ、各個人の生活活動区分(Ⅰ・低い、Ⅱ・やや低い、Ⅲ・適度、Ⅳ・高い)が従来、機械的分類だったのを改めて、具体的に定義し直し、それぞれに応じたエネルギー所要量として示した。従来の細かい年齢区分もやめて、健康な人の目安として使いやすいようにした。これには、高齢者へのきめ細かい栄養指導が難しくなったという批判もある。
 このほか、これまでは5年後の日本人の体格変化を予測して栄養所要量を設定してきたのも改め、身長や体重など各年代の平均的体格は現時点の数値を採用した。過剰摂取の弊害が心配される現代は、これ以上の体格向上を目指さなくてよく、食べ過ぎに注意した方がよいという事情もあった。
 その結果、最も平均的とされる生活活動強度(Ⅱ)の30歳男性で、所要量は2500キロカロリーから2250キロカロリーに減るなど、男女とも各年代で100~400キロカロリー下がった。車の普及などで日常生活のエネルギー消費が減っており、運動不足がちの実態を反映した形だ。半面、生活活動強度(Ⅰ)か(Ⅱ)に当たる人は、日常的にもっと運動して生活活動強度(Ⅲ)にするよう求めた。
 検討会で副委員長を務めた小林修平・前国立健康・栄養研究所所長(現・和洋女子大学教授)は「生活習慣病対策としても、それぞれの身体活動に対する望ましい摂取量を算出した」と指摘する。




エネルギー所要量 (生活活動強度Ⅱ、kcal/日)

9歳 1950 1750
10 2050 1950
11 2200 2100
12 2350 2250
13 2550 2300
14 2650 2300
15 2700 2250
16 2750 2200
17 2700 2150
18 2700 2100
19 2600 2050
20~29 2550 2000
30~39 2500 2000
40~49 2400 1950
50~59 2300 1850
60~64 2100 1750
65~69 2100 1700
9~11
1950 1750
12~14
2200 2000
15~17
2400 1950
18~29
2300 1800
30~49
2250 1750
50~69
2000 1650


脂肪は取り過ぎ

 大腸がんの予防などに役立つ食物繊維については、成人で1日に20~25グラム取るよう、勧めた。日本人の食事はこの30年間、総エネルギーでほぼ横ばいだ。それでも男性で肥満が増え、生活習慣病の最大の誘因になっている。問題は摂取カロリーの中身だ。
 一番変わったのは、炭水化物などの糖分が1950(昭和25)年に約80%だったのが、96年には58%まで低下したことだ。主食のコメをそれだけ食べなくなった影響が大きい。糖分摂取について「総エネルギーの少なくとも50%以上が望ましい」として、これ以上の低下に警告を発した。
 その分、摂取が増えたのは肉などの脂質だ。脂質の所要量としては、1~17歳で25~30%、18歳以上で20~25%を掲げた。厚生省の杉浦信平・生活習慣病対策室長は「脂質の摂取量は異常なハイペースで増えている。昭和20年代の10%以下から昭和50年代の25%まで、わずか30年で2.5倍になり、最新の国民栄養調査では26.6%にまでなった。脂質の摂取は抑え気味に」と話す。
 脂肪の取り過ぎは、高脂血症やにつながる。量だけでなく、脂肪の種類も問題がある。日本人の脂肪摂取の現状は、動物、植物、魚類からの脂肪の割合が4対5対1になっているが、理想的な摂取比率の目安は3対4対3と示した。動物性脂肪をやや減らし、魚介類の摂取をもっと増やす方がよいというのだ。


国際基準と整合

 「栄養の問題は今、貿易戦争でもある」と細谷名誉教授。食品貿易にかかわるだけに、国際的にも関心が高い。
 今回の改定では、国際基準との整合性が重視された。これまで欧米やWHOで、所要量が決められていながら、日本で所要量がないビタミンやミネラルなどの微量栄養素のほとんどについて新規に所要量が定められた。
 従来の栄養所要量では、ミネラルで2種類、ビタミンで六種類しか策定されていなかった。栄養所要量の項目がこれほど少ないのは日本だけで、貿易面などで支障をきたしていた。現代はさまざまな食品が輸入されてくる。しかし、栄養所要量も決められていない成分が加えられた製品は、食品として輸入できず、非関税障壁の1つとなっている。世界貿易機関(WTO)の問題でもある。このため、ビタミンとミネラル計13種で所要量を新たに設定して、日本の栄養基準を国際的に通用するようにした。
 新規に所要量が決まったのは、ビタミンでE、K、葉酸、ビオチンなど、ミネラルで銅、ヨウ素、マグネシウム、マンガン、カリウムなどだ。
 これで問題が解決したかというと、やや微妙である。例えば、今回初めて所要量が決まったビタミンのビオチンだ。いろんな食品に含まれ、腸内細菌によっても合成されるため、通常は欠乏症は起きない。しかし、粉ミルクなどの人工栄養で育つ乳児らでは、まれに重い欠乏症が発生するので、ミルクに加える必要がある。米国では、ビオチンを加えた粉ミルクが販売されているが、日本では食品添加物としてまだ認可されていないため、そのまま日本に輸入することはできない。
 ビオチンに詳しい渡辺敏明山形大医学部助教授は「栄養所要量を決めたのは、ビオチンの必要性を認めていく発端にはなるが、整備しなければならない課題はまだ多い」とみる。
 新規に所要量が決まったビタミンやミネラルの3分の2は、科学技術庁が策定している食品成分表に載っていない。科学技術庁は来春、食品成分表を18年ぶりに大幅に改定するが、実際に栄養指導するのに、食品成分表が空白という事態がなお続く見通しだ 。




減塩なお課題

 日本の食事の大きな欠点は食塩の取り過ぎにある。主食のコメをおいしく食べるのに塩がよく合うからだが、食塩は高血圧や脳卒中、胃がんの促進因子として知られている。かつて減塩キャンペーンが繰り広げられ、87年まで順調に低下し、高血圧の予防などにも役立った。しかし、その後、また増加に転じ、目標値の1日10グラムを大きく上回る13グラムに達している。
 小林教授は食塩増加の一因に加工食品や外食の普及を挙げる。「日本人の食生活は食塩となじみが深い。加工食品など味が濃い方が人気が出る。いきおい、業者は味を濃くして売り上げを伸ばそうとする。健康面から見れば、1日8グラムあたりが妥当な目標だが、あまり実態とかけ離れるのも問題があるため、従来通り、食塩の摂取目標値を10グラム未満にした」と解説する。
 同様に日本人が多量摂取しているのはヨウ素だ。ヨウ素は諸外国では不足し、甲状腺腫や子どもの知能発達遅れなどの重い障害が発生する。ヨウ素の摂取不足はWHOの栄養対策の大きな課題になっている。幸い、海に囲まれた日本は海藻を食べる習慣があり、淡水中にもヨウ素が多い。日本人が1日に摂取するヨウ素は最高で30ミリグラムにも上り、不足の心配はまったくない。
 WHOは、ヨウ素過敏症の人に障害が出やすいとして、安全上限を1日0.1ミリグラムにしている。このまま日本人に当てはめると、ほぼ全員が過剰摂取になってしまう。今回の検討では、魚介類を多く食べている地域のヨウ素平均摂取量を現時点での安全上限とみなして、日本の許容上限摂取量を1日3ミリグラムとした。
 それでも、コンブやワカメ、ヒジキなどの海藻を食べ過ぎれば、この上限値をすぐ上回る。しかし、ヨウ素を単独で大量摂取した場合と違い、海藻で健康被害は報告されていない。多彩な食品の組み合わせによって、相殺、相加、相乗の良い効果が食事には伴うので、心配は要らないかもしれない。




規則的な食事を

 主要な栄養素のうち、日本人の平均で、今なお所要量を達成できていないのはカルシウムだけ。骨の成長期にある若い人で特に不足が目立つ。  日本の食事は世界的にも高く評価されている。厚生省生活習慣病対策室の杉浦室長も「毎日普通の食事を取り、偏食さえしなければ、栄養のバランスはよく、大丈夫だ」と言う。
 学校給食などは栄養面でバラエティーとバランスが十分だが、自分で外食を取るようになる一人暮らしに若い人が移るときに、食生活は崩れやすい。「カルシウムも高齢者はちゃんと取っているが、若い年代が不足がちだ。学校給食や家庭教育で、よい食習慣を身につけさせるよう努め、いい加減なを防ぐことが重要だ」と、小林教授は提言する。
 朝食を毎日食べ、間食しないなどの食事の規則性が乱れているのも問題が多い。朝食の欠食率は20代を中心に高まっている。丁宗鉄東京大学医学部助教授(生体防御機能学)は「食事の8割は規則性が握っている。正しい時間に食べなければ、何にもならない」と訴える。
 日本人は昔から食事を楽しみ、食文化を大事にしてきた。自然環境に恵まれ、食材も豊かな国である。伝統的な食事で1日30食品も少しずつ摂取するのは日本ぐらいだ。自然にバランスのとれた栄養を取り、動物性脂肪と食塩を減らして毎日規則正しく、腹八分目ぐらいが理想的だ。ただ、1日に30食品を食べているのは一般家庭の10軒に1軒しかなく、改善の余地は大きい。米国では、たくさん食べる食品の順に底辺からピラミッド型に並べて食品を分類した図を示し、食習慣の改善に取り組んでいる。こうした図の日本版を作製する工夫も必要だろう。
 栄養所要量は日本人が食事で目指す望ましい数値だ。「自分の健康は自分で守ってほしい。また、栄養士も病気の1次予防にかかわっていくべきだ。今回の改定で、その基礎は示したが、これだけでは十分でない」と細谷名誉教授。実際、今回の摂取基準に沿って各家庭で食事をどう改善していったらよいか、までを理解するのは難しい。それは、厚生省が来春に改定する食生活指針などで明示される予定だ。

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